【コラム】12月は業務中,通勤時の死亡重傷事故が年間最多

2022-11-28

 愛知県警察が作成している「交通事故防止のPOINT」によると,12月は交通死亡事故が多発しています。12月中の交通死亡事故の特徴としては,①歩行者事故として,【年齢】高齢者が6割以上,【時間帯】朝及び夕方から深夜にかけて多発です。②自転車事故として,【年齢】高齢者が約9割,【事故類型】出合い頭が約6割,【時間帯】9時台から13時台が約6割となっています。
 また,業務中,通勤時の死亡重傷事故が年間最多となっています。年末は業務多忙となり心身の疲れなどが運転に影響を及ぼすことが予想されますので,体調管理に努めるとともに,時間にゆとりを持ち,速度を控え,安全行動を心掛けることが大切です。
https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/20221019point.pdf

 業務中・通勤時に交通事故の被害に遭った場合,労災保険から保険給付を受けることができます。業務時間中の事故は業務災害,通勤退勤の途中の事故は通勤災害となります。 労災保険で受けることができる給付は,①療養(補償)給付,②休業(補償)給付,③障害(補償)給付,④傷病年金,⑤介護(補償)給付,⑥遺族(補償)給付,⑦葬祭料があります。

 労災保険を使用するメリットとしては,費目間の流用を禁止するルールがあるため,積極損害,消極損害,慰謝料で各費目分類し,各費目の過失相殺後の残額は,いずれも当該費目間に関してのみ既払金及び損益相殺で補填されます。
 (例)
  過失割合が加害者:被害者=70:30,治療費100万円,慰謝料1000万円,労災から療養給付100万円受給している場合
治療費は,過失相殺すると100万円×70%=70万円となり,損益相殺すると70万円-100万円=-30万円となり,保険会社に請求できる治療費は0円となります。
  慰謝料は,労災保険の支給対象外なので差し引かれる給付はなく,保険会社に請求できる慰謝料は過失相殺した1000万円×70%=700万円となります。
  治療費が30万円過払いとなっていますが,費目間の流用が禁止されているため,他の費目から控除されることはなく,保険会社に請求できる賠償額は,0万円+700万円=700万円となります。
  仮に労災保険を使用せず,保険会社の一括対応で自由診療による治療をしていた場合は,過払いとなった治療費が他の費目から控除されるため,-30万円+700万円=670万円となります。

 以上のとおり,労災保険を使用するメリットは多くありますが,損害賠償額の計算方法など複雑な部分もあります。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所は,労災保険を使用した交通事故の解決実績が豊富にありますので,労災保険を使用する交通事故でお困りの方は,ぜひ,ご相談ください。