【コラム】:日没後は高齢歩行者事故が多発
愛知県警察が作成している「交通事故防止のPOINT」によると,日没後は高齢歩行者の事故が多発しています。
https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/202412point.pdf
過去5年間に愛知県内で発生した事故を分析した結果,交通事故による「人(歩行者)対車両」事故の死傷者構成率は,「日没前」よりも「日没後」,「高齢者以外」よりも「高齢者」が多いことがわかりました。特に「日没後」の「高齢者」の死傷者構成率は,顕著に高くなっています。
原因のひとつとして,加齢に伴う視機能の変化(低下)があります。加齢による視機能の変化はゆっくり進行することが多いため自分で気がつきにくいですが,眼科での検査によって現在の自分を知ったうえで、安全な行動をとることがとても重要です。
歩行者だけでなく,ドライバーにとっても影響する可能性がありますので,「自分の存在は相手に気づいてもらえているのか」,「自分が認識していない人や車がいないか」を考えて行動することが大切になります。
高齢者が交通死亡事故の被害に遭われた場合,損害賠償を請求する際に問題となるのが,死亡逸失利益(生きていれば得られるはずであった収入など,交通死亡事故によって失われた利益のこと)です。
高齢者といっても,仕事をされている方,家事従事者の方,年金を受給して生活されている方など様々な方がいますので,何を基準に死亡逸失利益を算定するかが争点になることが多くあります。
死亡逸失利益は,一般的に,死亡事故の賠償項目でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で算定することが非常に重要となります。
なお,定年退職直後や生活保護を受給していた等の理由で事故当時は無職であっても,再就職の意欲と蓋然性があれば,死亡逸失利益を請求することができる場合もあります。
また,交通事故で一命を取りとめたものの,一定期間,入院・通院した後に亡くなられる場合もあります。このように,入院・通院後に亡くなられた場合,治療費,葬儀費用,死亡逸失利益,慰謝料のほかに,入院・通院に伴う慰謝料等も当然に請求することができます。
なお,治療の結果,後遺障害が残り,その後事故とは別の理由で亡くなったとしても,死亡の事実は考慮せずに,事故後生存している場合と同様に後遺障害逸失利益は請求できます。
弁護士法人しまかぜ法律事務所は,高齢者の交通死亡事故の解決実績が豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。