【コラム】:自転車運転中のながらスマホの禁止・罰則化,酒気帯び運転の罰則化
令和6年11月1日から改正道路交通法が施行され,自転車運転中のながらスマホの禁止・罰則化,酒気帯び運転の罰則化がされます。
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/cycle_kaisei.html
スマートフォンなどを手で保持して,自転車に乗りながら通話する行為,画面を注視する行為が新たに禁止され,罰則の対象となりました。停止中の操作は対象外です。
違反者は6月以下の懲役または10万円以下の罰金となり,交通の危険を生じさせた場合1年以下の懲役または30万円以下の罰金となります。
自転車の酒気帯び運転のほか,酒類の提供や同乗・自転車の提供に対して新たに罰則が整備されました。
違反者は3年以下の懲役または50万円以下の罰金,自転車の提供者は3年以下の懲役または50万円以下の罰金,酒類の提供者・同乗者は2年以下の懲役または30万円以下の罰金となります。
自転車は,自動車と違い免許が不要で気軽に乗れることから,小さいお子さまや高齢者の方を含め,普段自動車を運転しない方も,たくさんの方が使用しています。
しかしながら,自転車による交通事故は,衝撃が生身に伝わるということもあり,死亡事故につながりやすくなります。
死亡事故の場合,逸失利益(生きていれば得られるはずであった収入など,交通死亡事故によって失われた利益のこと)が支払われますが,就労可能年数(67歳)までの年数が長いほど逸失利益は高額となります。
ただし,67歳を超えている方や67歳までの年数が簡易生命表の平均余命の2分の1よりも短くなる被害者については,原則として,平均余命の2分の1の年数となります。
逸失利益は,一般的に,死亡事故でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で算定することが大切です。
なお,交通の危険を生じさせるおそれのある一定の違反行為(危険行為)を繰り返す自転車運転者に対して,自転車運転者講習の受講が義務づけられておりますが,ながらスマホと酒気帯び運転についても,対象となりました。
自転車運転者講習は14歳以上が対象となっていますが,ぜひ,13歳未満のお子さまも,信号の遵守,一時停止,左側通行などの基本的なルールを改めて確認していただき,正しく安全に自転車に乗りましょう。
弁護士法人しまかぜ法律事務所は,自転車の交通死亡事故の解決実績が豊富にありますので,適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,ご相談ください。