【コラム】:過失割合について(歩行者と自転車との事故 2.対向又は同一方向進行歩行者の事故(4)車道における事故)

2018-08-17

 

 

近年,ロードバイクや電動アシスト自転車が普及し,自動車と違い免許が不要で気軽に乗れることから,小さいお子さまからご高齢の方まで,たくさんの方が自転車に乗っています。
自転車とはいえスピードは速いので,歩行者と自転車との事故の場合,衝撃を生身に受け,死亡事故につながることがあります。
死亡事故は,賠償額が高額になるため,1割の過失割合で受け取れる金額が大きく変わります。そのため,適正な過失割合で解決することは非常に重要となります。
事故態様ごとに基本的な過失割合をご紹介していますが,この割合がすべてではなく,速度超過や直近まで被害者に気づかなかったことや,様々な事実で過失割合は修正されます。一つの参考としてご理解いただければと思います。

 

2.対向又は同一方向進行歩行者の事故
(4)車道における事故
   歩行者は,歩車道の区別のある道路においては,車道を横断する場合,道路工事等のため歩道等を通行することができない場合,その他やむを得ない場合を除き,歩道等を通行しなければならないから,このような道路にあっては,車道を通行して自転車に衝突された歩行者には原則として過失があります。
  ア 【91】車道通行が許されている場合

    歩行者:10 自転車:90
        道路交通法10条2項により歩行者も車道を通行することができる場合の事故です。
        歩行者は,車道を通行することができる場合において,車道を通行するときは,できるだけ車道側端を通行すべきであるから,ここでも車道側端における事故を想定しています。なお,側端とは,当該道路の幅員,道路状況により異なりますが,端からおおむね1m以内は該当するといえます。
        車道通行が許されている場合であっても,車道を通行する歩行者としては,前方又は後方から走行してくる自転車の動静を注視して安全確認すべき注意義務があると考えられています。

  イ 【92】車道通行が許されていない場合

    歩行者:25 自転車:75
        歩行者が,車道通行を許されていない場合において,車道側端を通行しているときに,車道側端を走行してきた自転車と衝突した事故を想定しています。
        車道通行が許されていない場合,歩行者の注意義務は加重されると考えられています。

 

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