【コラム】:3月は横断中と単独事故が多発

2022-02-25

 愛知県警察が作成している「交通事故防止のPOINT」によると,平成29年から令和3年までの5年間の交通死亡事故等を分析した結果,3月は横断中と単独事故が多発しています。
 https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/documents/zikobousinopoinntoR4.3.pdf

 横断中の事故は交差点(交差点付近を含む。)内での発生が9割以上,単独事故は規制速度超過によるものが半数以上,単独事故の四輪車死者の半数はシートベルト非着用となっています。
 3月になり日は長くなってきていますが,まだまだ夕方の5時~7時の魔の時間に交通事故が多く発生していますので,引き続き注意が必要です。

 歩行者が被害に遭う交通事故は,衝撃が生身に伝わるということもあり,死亡事故や重篤な障害が残る事故につながりやすくなります。
 死亡事故や後遺障害が残存した場合,逸失利益(生きていれば得られるはずであった収入など,交通死亡事故によって失われた利益のこと)が支払われますが,就労可能年数(67歳)までの年数が長いほど逸失利益は高額となります。
 ただし,67歳を超えている方や67歳までの年数が簡易生命表の平均余命の2分の1よりも短くなる被害者については,原則として,平均余命の2分の1の年数となります。
 逸失利益は,一般的に,死亡事故や後遺障害の賠償項目でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で算定することが大切です。
 
 また,交差点内や交差点付近で歩行者が横断中に事故に遭う場合,歩行者が横断歩道を横断しているかどうかで過失割合が変わってきます。横断歩道外を横断している場合でも,横断歩道の付近であれば横断歩道通過後なのか横断歩道の手前なのか,それ以外の場所なのかなど,事故態様に応じて過失割合が変わってきますので,ドライブレコーダー映像や事故の現場図を分析し,正確な事故態様を明らかにしたうえで,適正な過失割合で解決することが非常に重要となります。
 死亡事故や重篤な障害が残る事故は賠償額が高額となるため,過失割合がたとえ1割の違いであっても,賠償額が大きく変わってきますので,専門的知識と豊富な解決実績のある交通事故に強い弁護士に相談することが必要になります。