【コラム】:60歳,男性,無職者,高卒,未婚者が死亡した場合

2017-02-05

60歳,男性,無職者,高卒,未婚者が交通事故により死亡した場合,どのような損害賠償の種類が請求できるのかを,説明させていただきます。

(1)治療費
   救命治療などに要した治療費を請求できます。

(2)葬儀関係費
   死亡事故がなくても将来的にはいずれ必要になってくるため,全額ではなく150万円程度が認定されることが多いです。

(3)死亡慰謝料
      2500万円ほどで認定されることが多いです。

(4)逸失利益
       死亡逸失利益は,①基礎収入×(1-②生活費控除率)×③就労可能年数によるライプニッツ係数で算定します。
        ①基礎収入
           死亡逸失利益とは,生きていれば得られるはずであった収入が失われた損害です。事故当時に無職だとしても,それを基準に将来の逸失利益を算定するのは適正ではありません。
     そこで,多くの裁判例では,被害者の属性に応じた平均給与を基準に算定しています。
     60歳・男性・高卒の被害者が無職であっても,年収0円を基礎収入とするのではなく,男性・高卒・60歳以上の賃金センサスである364万2500円(平成26年賃金センサス)を基礎収入とします。
       ②生活費控除率
          45%です。
     ③就労可能年数によるライプニッツ係数
           就労可能年数は原則として67歳までの年数です。ただし,67歳までの年数が平均余命の2分の1より短くなる高齢者については,平均余命の2分の1を就労可能年数とします。男性60歳の平均余命は,23.36です(平成26年簡易生命表)。就労可能年数は11年間です。
            11年間のライプニッツ係数は,8.3064です。
   以上より,逸失利益は,①364万2500円×(1-②0.45)×③8.3064=1664万0834円です。

 

交通死亡事故は賠償額が大きくなるため,弁護士の腕次第で,賠償額に数千万円の違いが生じることがあります。
死亡事故について圧倒的な実績を誇るしまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。