【コラム】:65歳,男性,個人事業主,大卒,一家の大黒柱が死亡した場合

2017-02-24

65歳,男性,個人事業主,大卒,一家の大黒柱(被扶養者妻)が交通事故により死亡した場合,どのような損害賠償の種類が請求できるのかを,説明させていただきます。

(1)治療費
   救命治療などに要した治療費を請求できます。

(2)葬儀関係費
   死亡事故がなくても将来的にはいずれ必要になってくるため,全額ではなく150万円程度が認定されることが多いです。

(3)死亡慰謝料
      2800万円ほどで認定されることが多いです。

(4)逸失利益
       死亡逸失利益は,①基礎収入×(1-②生活費控除率)×③就労可能年数によるライプニッツ係数年金であれば平均余命までの年数に対応するライプニッツ係数)で算定します。
        事業所得以外に年金がある場合は,Ⅰ事業所得が得られる期間,Ⅱ年金のみの期間に分類して算定します。
        Ⅰ事業所得が得られる期間
         ①基礎収入
            法人成りしていない経営者や,開業医弁護士保険外交員一人親方ホステスなど個人事業主基礎収入は,事故前年の事業所得金額+事業専従者控除額or青色申告特別控除額で算定します。
     事業所得金額が300万円,青色申告特別控除額65万円の場合,基礎収入は,365万円です。
            ②生活費控除率
           裁判例は,一家の大黒柱生活費控除率を30~40%で認定することが多いのですが,ⅰ被扶養者が1人の場合は40%,ⅱ被扶養者が2人以上の場合は30%で認定する傾向にあるといえます。
     被扶養者が妻のみである場合は,40%です。
      ③就労可能年数によるライプニッツ係数
             就労可能年数は原則として67歳までの年数です。ただし,67歳までの年数が平均余命の2分の1より短くなる高齢者については,平均余命の2分の1を就労可能年数とします。男性65歳の平均余命は,19.29です(平成26年簡易生命表)。就労可能年数は9年間です。
     9年間のライプニッツ係数 7.1078
    以上より,Ⅰ事業所得が得られる期間の逸失利益は,①365万円×(1-②0.4)×③7.1078=1556万6082円です。
        Ⅱ年金のみの期間
         ①基礎収入
            基礎収入の対象となる年金は,被害者側が保険料を拠出していた年金です。国民年金厚生年金等の老齢年金障害年金等は逸失利益の対象になります。一方で,遺族年金等,被害者側が保険料を拠出していないものは逸失利益の対象となりません。
              基礎収入の対象となる国民年金等が200万円であれば,基礎収入は200万円です。
           ②生活費控除率
            年金は一般的に少額であって生活費を支払って余りが出るような性格ではないため,年金以外の逸失利益に比べて生活費控除率は高く認定される傾向にあります。多くの裁判例は,生活費控除率を50%と認定しています。
      ③平均余命までの年数に対応するライプニッツ係数
             男性65歳の平均余命は,19.29です(平成26年簡易生命表)。算定にあたっては,Ⅰ事業所得が得られる期間の9年間を控除する必要があります。
     12.0853(19年間のライプニッツ係数)-7.1078(9年間のライプニッツ係数)=4.9775
    以上より,Ⅱ年金のみの期間の逸失利益は,①200万円×(1-②0.5)×③4.9775=497万7500円です。
       したがって,逸失利益は,1556万6082円(Ⅰ事業所得が得られる期間)+497万7500円(Ⅱ年金のみの期間)=2054万3582円です。
  

 

交通死亡事故は賠償額が大きくなるため,弁護士の腕次第で,賠償額に数千万円の違いが生じることがあります。
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