【コラム】:死亡逸失利益について(給与所得者が若年の場合)

2016-05-07

給与所得者の基礎収入で問題となることが多い,②若年労働者の算定方法を,説明させていただきます。

 

死亡逸失利益とは,生きていれば得られるはずであった収入が失われた損害です。一般的に若年労働者の給与は低額であるため,死亡時の低額な給与を基準に将来の逸失利益を算定するのは適正ではありません。

 

そこで,多くの裁判例では,30歳未満の若年労働者の基礎収入について,死亡時の給与を基準とするのではなく,全年齢の平均給与を基準に算定しています。
『平成11年11月22日付交通事故による逸失利益の算定方式に付いての共同提言』(判時1692号162頁以下))において,東京地裁・大阪地裁・名古屋地裁の三庁が同様の提言を行っています。

 

例えば,男性・大卒・25歳が死亡し,実際の年収は400万円だとしても,400万円を基礎収入とするのではなく,男性・大卒・全年齢の賃金センサスである648万7100円(平成26年賃金センサス)を基礎収入とします。

 

死亡逸失利益は,一般的に,死亡事故の賠償項目でもっとも高額となります。
適正な賠償額を獲得するためにも,豊富な知識と実績を備えたしまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。