【コラム】:死亡事故の賠償内容について

2022-06-06

 愛知県警察によると,令和4年5月の交通事故死者数が15人となり,前年に比べ増加しています。特に名古屋市内では,5月12日~22日の10日間に3件3人の交通死亡事故が発生し,今年2回目の「交通死亡事故多発警報」が発令されました。
https://www.pref.aichi.jp/police/koutsu/jiko/koutsu-s/jikonippou/documents/koutsuushibouzikonippou220531.pdf

 6月は,梅雨入りし天候が不安定となります。天候が悪くなると視界が悪化しますので,ドライバーはスピードを控えるなど安全運転を心がけてください。また,歩行者や自転車の方も,ドライバーから見えていないかもしれないと考えて,安全な行動を取ることが大切です。

 もし,交通事故の被害に遭い死亡した場合,請求できるのは以下の項目です。
1.治療費
  救命治療などに要した治療費を請求できます。

2.葬儀関係費
  死亡事故がなくても将来的にはいずれ必要になってくるため,全額ではなく150万円程度が認定されることが多いです。ただし,若年で亡くなられた場合は,はるかに遠い将来に要する葬儀を考慮する必要性が低いため,150万円以上で認定されます。

3.死亡慰謝料
  2500万円ほどで認定されることが多いです。
  もっとも,弁護士法人しまかぜ法律事務所では,ご遺族の過ごしてきた関係,どれだけ愛情をもって接してきたかによって,更に増額しての解決をしています。

4.死亡逸失利益
  死亡逸失利益は,①基礎収入×(1-②生活費控除率)×③就労可能年数によるライプニッツ係数で算定します。
 ① 基礎収入は,給与所得者は事故前年の収入です。若年労働者(概ね30歳未満)の場合は,全年齢平均の賃金センサスを用います。
   家事従事者は,女性労働者の全年齢平均の賃金センサスとなります。
② 生活控除率は,一家の大黒柱の場合,被扶養者1人で40%,被扶養者2人以上で30%です。
女性は30%,男性(独身,幼児等含む)は50%となっています。
③ 就労可能年数は,原則67歳までです。
ただし,67歳までの年数が平均余命の2分の1より短くなる高齢者については,平均余命の2分の1を就労可能年数とします。

 自賠責では上限金額が3000万円となっており,保険会社から提示される賠償額も同じくらいの金額となることが多いですが,弁護士に依頼することで,保険会社からの賠償額を大幅増額して解決できることがあります。
 特に,死亡逸失利益は,一般的に,死亡事故の賠償項目でもっとも高額となりますので,適正な算定方法で算定することが非常に重要となります。
 弁護士法人しまかぜ法律事務所は,死亡事故について解決実績が豊富にありますので,お困りの方は,ぜひ,ご相談ください。