【コラム】:死亡逸失利益について(家事従事者の算定方法)
2016-06-19
死亡逸失利益は,①基礎収入×(1-②生活費控除率)×③就労可能年数によるライプニッツ係数で算定しますが,①基礎収入は,被害者の属性に応じて算定方法が様々ですので,属性に応じて説明を連載しています。
第4回は,家事従事者(主婦)です。
家事従事者(主婦)の基礎収入で問題となることが多いのは, 算定方法です。
家事従事者の年収は,女性労働者の学歴計・年齢計の平均賃金を参考にしますが,平成26年賃金センサスでは,364万1200円です。
家事をしながら仕事をしている方も多いと思いますが,ほとんどの裁判例では,仕事での賃金額を加算せずに,家事従事者の年収である364万1200円(平成26年賃金センサス)として認定します。
これは,主婦業は24時間労働であり,その主婦業全体の経済的価値を家事従事者の年収で評価したのであるから,その一部の時間を利用して仕事をしたとしても,それは主婦業の一部が仕事に転化したに過ぎないという理由です。
仕事の年収が,家事従事者の年収を超える場合は,仕事の年収で算定します。この場合の逸失利益は,③就労可能年数(おおむね67歳)までは仕事の年収として算定し,67歳以降は家事従事者の年収として算定する段階的方法とします。
死亡逸失利益は,一般的に,死亡事故の賠償項目でもっとも高額となります。
適正な賠償額を獲得するためにも,豊富な知識と実績を備えたしまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。
←「【コラム】:死亡逸失利益について(会社役員の算定方法)」前の記事へ 次の記事へ「【コラム】:死亡逸失利益について(学生・年少者の算定方法)」→