【コラム】:過失割合について(歩行者と自転車との事故 1.横断歩行者の事故 (1)横断歩道上の事故①(自転車が車道を進行している場合)ア信号機の設置されている横断歩道上の事故(6))

2018-03-30

 

 

 

 

 

近年,ロードバイクや電動アシスト自転車が普及し,自動車と違い免許が不要で気軽に乗れることから,小さいお子さまからご高齢の方まで,たくさんの方が自転車に乗っています。
自転車とはいえスピードは速いので,歩行者と自転車との事故の場合,衝撃を生身に受け,死亡事故につながることがあります。
死亡事故は,賠償額が高額になるため,1割の過失割合で受け取れる金額が大きく変わります。そのため,適正な過失割合で解決することは非常に重要となります。
事故態様ごとに基本的な過失割合をご紹介していますが,この割合がすべてではなく,速度超過や直近まで被害者に気づかなかったことや,様々な事実で過失割合は修正されます。一つの参考としてご理解いただければと思います。

1.横断歩行者の事故
(1)横断歩道上の事故①(自転車が車道を進行している場合)
  ア 信号機の設置されている横断歩道上の事故
  (イ)歩行者と右左折自転車との事故
          自転車は,右折するときは,二段階右折をしなければならず,四輪車や単車と同様の方法で右折を行ったときは法律違反となります。自転車の右折方法違反が事故の発生原因になっていると,自転車の著しい過失・重過失として過失割合が修正される場合があります。
    a 横断中の信号変更なし
        【63】歩行者:黄信号で横断開始,自転車:黄信号で進入

    歩行者:自転車=25:75
    自転車は,黄信号の場合には,黄信号が表示された時点で女帝の停止位置に近接しているため安全に停止することができないときを除き,本来交差点に進入してはなりません。また,自転車は通常は比較的低速で走行しており,停止措置を採ることも容易であるから,黄信号で交差点に進入しようとする自転車には,【61】よりも重い過失があるといえます。
       
        【64】歩行者:赤信号で横断開始,自転車:黄信号で進入

    歩行者:自転車=40:60
    歩行者は,赤信号の場合には,道路を横断してはなりません。しかし,交差道路の信号がまだ青信号に変わっていないことから,赤信号で横断を開始する歩行者もしばしば見られます。
    赤信号を無視した歩行者の過失は少なくありませんが,右左折自転車も,このような歩行者がいることは予見し得ますし,右左折に際し通常は比較的低速で走行しているため,このような歩行者を発見することも容易なはずであることから,衝突を避け得ます。
       
        【65】歩行者:赤信号で横断開始,自転車:赤信号で進入

    歩行者:自転車=25:75
    赤信号の場合には,歩行者は道路を横断してはならず,自転車は所定の停止位置を越えて進行してはなりません。赤信号に違反した自転車の過失は非常に大きいので,歩行者保護の見地から,基本の過失相殺率は25%です。

 

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