【コラム】:22歳,男性,無職者,高卒,未婚者が死亡した場合

2016-11-19

22歳,男性,無職者,高卒,未婚者が交通事故により死亡した場合,どのような損害賠償の種類が請求できるのかを,説明させていただきます。

(1)治療費
   救命治療などに要した治療費を請求できます。

(2)葬儀関係費
   死亡事故がなくても将来的にはいずれ必要になってくるため,全額ではなく150万円程度が認定されることが多いです。
   しかし,若年でお亡くなりになくなった場合は,はるかに遠い将来に要する葬儀を考慮する必要性が低いため,150万円以上で認定されます。

(3)死亡慰謝料
      2500万円ほどで認定されることが多いです。

(4)逸失利益
       死亡逸失利益は,①基礎収入×(1-②生活費控除率)×③就労可能年数によるライプニッツ係数で算定します。
        ①基礎収入
           死亡逸失利益とは,生きていれば得られるはずであった収入が失われた損害です。事故当時に無職だとしても,それを基準に将来の逸失利益を算定するのは適正ではありません。
     そこで,多くの裁判例では,被害者の属性に応じた全年齢の平均給与を基準に算定しています。
     22歳・男性・高卒の被害者が無職であっても,年収0円を基礎収入とするのではなく,男性・高卒・全年齢の賃金センサスである466万3500円(平成26年賃金センサス)を基礎収入とします。
       ②生活費控除率
          45%です。
     ③就労可能年数によるライプニッツ係数
           67歳-22歳=45年間のライプニッツ係数 17.7741
   以上より,逸失利益は,①466万3500円×(1-②0.45)×③17.7741=4558万9233円です。

 

交通死亡事故は賠償額が大きくなるため,弁護士の腕次第で,賠償額に数千万円の違いが生じることがあります。
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