【コラム】:平成30年版交通安全白書において,高齢者の死亡事故が突出しています

2018-06-15

 

政府は6月15日の閣議で,「平成30年版交通安全白書」を決定しました。(http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h30kou_haku/pdf/zenbun/00.pdf)

 

平成29年の交通事故死亡者数は,平成28年より210人少ない3694人で,統計を取り始めた昭和23年以降で最も少なくなりました。
一方,死亡者のうち65歳以上の高齢者の数は2020人で,割合は54.7%と6年連続で半数を超え,突出しています。
高齢者の死亡事故で損害賠償を請求する際に問題となるのが,死亡逸失利益(生きていれば得られるはずであった収入など,交通死亡事故によって失われた利益のこと)です。
高齢者といっても,仕事をされている方,家事従事者の方,年金を受給して生活されている方などさまざまな方がいますので,何を基準に死亡逸失利益を算定するかが争点になることが多くあります。
高齢者が交通死亡事故の被害に遭った場合,適正な逸失利益を算定して賠償額を獲得することは非常に重要なことです。

 

加害者に視点を移して検証すると,75歳以上の高齢運転者が起こした死亡事故件数は多く,その要因は「操作不適(ミス)」が31%を占め,75歳未満の16%の約2倍となっています。このうち「ブレーキとアクセルの踏み間違い」が75歳以上は6・2%で,75歳未満の0・8%を大きく上回っています。
白書では,自動ブレーキなどの先進安全技術について,「事故削減効果が大きく期待できる」とする一方で,先進安全技術は運転者の安全運転を支援するものであり,その機能には限界があることから,運転者は,その機能の限界や注意点を正しく理解し,機能を過信せず,責任を持って安全運転を行うことが必要であると指摘しています。
加害者が高齢者で,重大な操作不適(ミス)が要因となった交通事故は,被害者に有利に過失割合の交渉を行うことが可能です。賠償額が大きい死亡事故の場合,1割でも被害者に有利に交渉することが非常に重要なことです。

 

しまかぜ法律事務所は,被害者が高齢者の交通死亡事故の解決実績が豊富にあり,また加害者が高齢者の過失交渉の解決実績も豊富にあります。適正な賠償額で解決するためにも,ぜひ,交通事故専門のしまかぜ法律事務所にご相談ください。