【コラム】:死亡逸失利益について(高齢者で年金の算定方法)

2016-07-10

高齢者の逸失利益で問題となることが多い,②年金の算定方法を,説明させていただきます。
年金の逸失利益は,①年金額×(1-②生活費控除率)×③平均余命までの年数に対応するライプニッツ係数で算定します。

 

①年金額
逸失利益の対象となる年金は,被害者側が保険料を拠出していた年金です。国民年金,厚生年金等の老齢年金,障害年金等は逸失利益の対象になります。一方で,遺族年金等,被害者側が保険料を拠出していないものは逸失利益の対象となりません。

 

②生活費控除率
年金以外の逸失利益の場合,生活費控除率は,被害者の属性によって次のとおり認定されることが多いです。
一家の大黒柱は40%,女性は30%,単身者は50%です。もっとも,単身者であっても,親のために生活費を入れていたなどの事情があれば,生活費控除率は40%が相当です。
一方で,年金は一般的に少額であって生活費を支払って余りが出るような性格ではないため,年金以外の逸失利益に比べて生活費控除率は高く認定される傾向にあります。
多くの裁判例は,生活費控除率を50%と認定しています。

 

③平均余命までの年数に対応するライプニッツ係数
平均余命は,簡易生命表を参考にします。
簡易生命表は「死亡事故の損害賠償の種類 」をご覧ください。

 

死亡逸失利益は,一般的に,死亡事故の賠償項目でもっとも高額となります。
適正な賠償額を獲得するためにも,豊富な知識と実績を備えたしまかぜ法律事務所に,ぜひ,ご相談ください。