【コラム】:法定利率が3%に変更 逸失利益が大幅に増額

2020-09-07

 交通事故で亡くなった場合は,将来の労働で得られるはずだった逸失利益が支払われますが,民法改正で法定利率が5%から3%に変更されたことで,逸失利益が増額します。
 逸失利益の計算には,ライプニッツ係数を使用します。ライプニッツ係数は,中間利息を控除するための数値で,法定利率が5%から3%に引き下げられると,逸失利益の賠償金から控除される中間利息も減少し,逸失利益が増額します。
 なお,法定利率は,令和2年4月1日以降に発生した事故から変更になります。
 では,具体的にどのくらい死亡逸失利益が増額するのか計算してみます。
  
死亡逸失利益は,基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数で計算されます。
  以下の例だと,約1600万円,死亡逸失利益が増額します。
  
 例:平均賃金:500万
   症状固定:35歳(就労可能年数32年間)
   生活費控除率:30%(被扶養者が2人以上)
   
  ■法定利率5%の場合
   500万円×(1-30%)×15.8027=5530万9450円

  ■法定利率3%の場合
 500万円×(1-30%)×20.3888=7136万1080円

 このように,法定利率が3%になることで逸失利益が大幅に増額されます。
 逸失利益は,一般的に,賠償項目でもっとも高額となりますので,基礎収入,労働能力喪失期間など争いになることも多く,適正な賠償額を加害者から受け取るためには,実績のある交通事故専門の弁護士が交渉することが不可欠です。
 逸失利益についてお困りの方は,ぜひ,しまかぜ法律事務所にご相談ください。