【コラム】:過失割合について(歩行者と自転車との事故 1.横断歩行者の事故 (1)横断歩道上の事故①(自転車が車道を進行している場合)ア信号機の設置されている横断歩道上の事故(2))

2018-02-23

 

 

 

 

 

近年,ロードバイクや電動アシスト自転車が普及し,自動車と違い免許が不要で気軽に乗れることから,小さいお子さまからご高齢の方まで,たくさんの方が自転車に乗っています。
自転車とはいえスピードは速いので,歩行者と自転車との事故の場合,衝撃を生身に受け,死亡事故につながることがあります。
死亡事故は,賠償額が高額になるため,1割の過失割合で受け取れる金額が大きく変わります。そのため,適正な過失割合で解決することは非常に重要となります。
 事故態様ごとに基本的な過失割合をご紹介していますが,この割合がすべてではなく,速度超過や直近まで被害者に気づかなかったことや,様々な事実で過失割合は修正されます。一つの参考としてご理解いただければと思います。

1.横断歩行者の事故
(1)横断歩道上の事故①(自転車が車道を進行している場合)
  ア 信号機の設置されている横断歩道上の事故
  (ア)歩行者と直進自転車との事故
    a 横断中の信号変更なし
        【53】歩行者:赤信号で横断開始,自転車:赤信号で進入

    歩行者:自転車=25:75
    赤信号の場合,歩行者は道路を横断してはならず,自転車は所定の停止位置を越えて進行してはなりません。赤信号に違反した自転車の過失の方が非常に大きいので,歩行者保護の見地から,基本の過失相殺率は25%になります。
     
    【54】歩行者:赤信号で横断開始,自転車:黄信号で進入

    歩行者:自転車=60:40
    自転車は,黄信号の場合には,原則として所定の停止位置を越えて進行してはなりません。もっとも,赤信号時に見込み横断する歩行者は,黄信号であっても横断歩道又は交差点を通過する自転車があることも予想すべきであるといえます。

    【55】歩行者:赤信号で横断開始,自転車:青信号で進入

    歩行者:自転車=80:20
    歩行者は,赤信号の場合は道路を横断してはならないから,基本的に赤信号に違反した歩行者の過失による事故といえます。

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