【コラム】:過失割合について(駐車場内の事故 1.四輪車同士の事故)

2021-02-05

死亡事故は,賠償額が高額になるため,1割の過失割合で受け取れる金額が大きく変わります。そのため,適正な過失割合で解決することは非常に重要となります。
事故態様ごとに基本的な過失割合をご紹介していますが,この割合がすべてではなく,速度超過や直近まで被害者に気づかなかったことや,様々な事実で過失割合は修正されます。一つの参考としてご理解いただければと思います。

■ 駐車場内の事故について
  商業施設の大型化や郊外立地が進み,収容台数の多い駐車場が多くみられるようになったこともあり,駐車場内での事故が多発しています。
  駐車場内で発生した事故の法的責任に関連して,当該駐車場内の通路が道路交通法の適用される「道路」に当たるか否かが問題とされることがあります。
  しかし,本基準は,駐車を主たる目的とする駐車場の特殊性,すなわち,四輪車が後退,方向転換等の行為に出ることが多く,駐車している四輪車から歩行者が出てくることも多いため,走行している四輪車に対し,前方注視義務や徐行義務がより高度に要求されるという点(運転慣行)を踏まえて,過失相殺率を定めているのであって,駐車場内の通路で発生した事故については,当該通路が上記「道路」であるか否かにかかわらず,適用されるべきです。

1.四輪車同士の事故
(1)通路の交差部分における四輪車同士の出合い頭事故【334】
   直進,右左折の別なく,駐車場内の通路の交差部分に進入した四輪車同士が出合い頭に衝突した場合を想定しています。
   交差部分に進入した四輪車同士の出合い頭の衝突事故が発生した場合は,原則として,双方が同等の過失責任を負うこととし,通路の幅員の違いや運転方法等の事情については,過失相殺率の評価に影響する基本的なものを修正要素として考慮することとしています。

   直進又は右左折のための進入:直進又は右左折のため交差道路から進入=50:50

   双方の車両において,他の車両の進入に対する注意が疎かであったこと,適切な回避措置をとらなかったことは,いずれも基本の過失相殺率に含めて考慮しています。
   一時停止・通行方向標示等違反と狭路・明らかに広い通路の修正要素のいずれにも該当する場合には,一時停止・通行方向標示等違反のみで20%加算修正します。
一時停止・通行方向標示等違反と丁字路直進の修正要素のいずれにも該当する場合には,一時停止・通行方向標示等違反のみで15%加算修正します。
   他方の四輪車が交差部分に明らかに先入していた場合,交差部分の手前で原則をしなかった場合には,原則として,その他の著しい過失ありとします。また,一時停止・通行方向標示等違反があった場合には,当該四輪車が明らかに先入していたとしても,当該四輪車に有利に修正することは相当でありません。

 

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