【コラム】:過失割合について(横断歩道の付近における事故 信号機の設置されている横断歩道の直近における事故(4))
歩行者と車の事故の場合,歩行者は衝突の衝撃を生身で受けるため,死亡事故につながることがあります。
死亡事故は,賠償額が高額になるため,1割の過失割合で受け取れる金額が大きく変わります。そのため,適正な過失割合で解決することは非常に重要となります。
事故態様ごとに基本的な過失割合をご紹介していますが,この割合がすべてではなく,速度超過や直近まで被害者に気づかなかったことや,様々な事実で過失割合は修正されます。一つの参考としてご理解いただければと思います。
第2.横断歩道外における事故
1 横断歩道の付近における事故
(1)信号機の設置されている横断歩道の直近における事故
イ 横断歩道の手前
【30】車:赤信号で衝突
歩行者:青信号 歩行者:車=10:90
歩行者:黄信号 歩行者:車=20:80
歩行者:赤信号 歩行者:車=30:70
車が対面信号が黄信号又は赤信号になっているのを認めて減速していることを前提としています。黄信号から赤信号に変わった場合も赤信号から青信号に変わる場合も差はありません。
【31】歩行者:赤信号で横断開始,車:黄信号で衝突
歩行者:車=50:50
車が対面信号が黄信号になっているのを認めて減速していることを前提としています。車の速度や衝突地点と横断歩道との距離関係から,黄信号が表示された時点で安全に停止することができない場合は,【32】を適用します。
【32】歩行者:赤信号で横断開始,車:青信号で衝突
歩行者:車=70:30
歩行者は,赤信号の場合には,道路を横断してはならないので,赤信号に違反した歩行者の過失は大きく,70%となります。
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