【コラム】:過失割合(路上横臥者等の事故)

2018-01-26

歩行者と車の事故の場合,歩行者は衝突の衝撃を生身で受けるため,死亡事故につながることがあります。
死亡事故は,賠償額が高額になるため,1割の過失割合で受け取れる金額が大きく変わります。そのため,適正な過失割合で解決することは非常に重要となります。
事故態様ごとに基本的な過失割合をご紹介していますが,この割合がすべてではなく,速度超過や直近まで被害者に気づかなかったことや,様々な事実で過失割合は修正されます。一つの参考としてご理解いただければと思います。

 

第4.路上横臥者等の事故
      歩行者が酒に酔って道路上で寝てしまった場合,それが夜間である場合には,車からの発見,衝突の回避が遅れ,又は発見しても人とは思わずに礫過するなど,事故が発生しやすくなります。
      しかし,昼間の場合は,右左折等の場合や,先行車に後続していて適宜の車間距離を保たなかったために,先行車は避け得たのに,事故を起こした車は避け得なかった場合等でなければ発生しません。
      そのため,路上横臥等の事故は,昼夜によって過失相殺率に大幅な差異を設けています。
      また,横臥者のみならず,四つんばいになっている者や,座り込んでいる者等も同基準が適用されます。

(1)【47】昼間の場合

   歩行者:車=30:70
   昼間であれば,車からの路上横臥者の発見は比較的容易であるから,車の過失の方が大きいと考えられます。

(2)【48】夜間の場合

   歩行者:車=50:50
   夜間における車からの路上横臥者の発見は,昼間と比較して困難であり,事故が発生しやすくなることから,昼間と比較して路上横臥者の過失も加重されざるを得ません。
      車が右左折する場合や,道路がカーブしている場合等,車からの路上横臥者の事前発見が容易でない場合には,60%程度の過失相殺率が適用される場合もあります。

 

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