【コラム】:22歳,男性,個人事業主,中卒,一家の大黒柱が死亡した場合

2016-11-08

22歳,男性,個人事業主,中卒,一家の大黒柱(被扶養者妻,子1人)が交通事故により死亡した場合,どのような損害賠償の種類が請求できるのかを,説明させていただきます。

(1)治療費
   救命治療などに要した治療費を請求できます。

(2)葬儀関係費
   死亡事故がなくても将来的にはいずれ必要になってくるため,全額ではなく150万円程度が認定されることが多いです。
   しかし,若年でお亡くなりになくなった場合は,はるかに遠い将来に要する葬儀を考慮する必要性が低いため,150万円以上で認定されます。

(3)死亡慰謝料
      2800万円ほどで認定されることが多いです。

(4)逸失利益
       死亡逸失利益は,①基礎収入×(1-②生活費控除率)×③就労可能年数によるライプニッツ係数で算定します。
        ①基礎収入
           死亡逸失利益とは,生きていれば得られるはずであった収入が失われた損害です。一般的に若年労働者の給与は低額であるため,死亡時の低額な給与を基準に将来の逸失利益を算定するのは適正ではありません。
     そこで,多くの裁判例では,30歳未満の若年労働者基礎収入について,死亡時の給与を基準とするのではなく,全年齢の平均給与を基準に算定しています(『平成11年11月22日付交通事故による逸失利益の算定方式に付いての共同提言』(判時1692号162頁以下))
     22歳・男性・個人事業主・中卒の事故前年の事業所得金額が200万円だとしても,これを基礎収入とするのではなく,男性・中卒・全年齢の賃金センサスである390万6300円(平成26年賃金センサス)を基礎収入とします。
         ②生活費控除率
           裁判例は,一家の大黒柱生活費控除率を30~40%で認定することが多いのですが,ⅰ被扶養者が1人の場合は40%,ⅱ被扶養者が2人以上の場合は30%で認定する傾向にあるといえます。
    被扶養者が妻,子1人である場合は,30%です。
     ③就労可能年数によるライプニッツ係数
           67歳-22歳=45年間のライプニッツ係数 17.7741
   以上より,逸失利益は,①390万6300円×(1-②0.3)×③17.7741=4860万1676円です。

 

交通死亡事故は賠償額が大きくなるため,弁護士の腕次第で,賠償額に数千万円の違いが生じることがあります。
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