【コラム】:過失割合(横断歩道のない交差点又はその直近における事故(1))
歩行者と車の事故の場合,歩行者は衝突の衝撃を生身で受けるため,死亡事故につながることがあります。
死亡事故は,賠償額が高額になるため,1割の過失割合で受け取れる金額が大きく変わります。そのため,適正な過失割合で解決することは非常に重要となります。
事故態様ごとに基本的な過失割合をご紹介していますが,この割合がすべてではなく,速度超過や直近まで被害者に気づかなかったことや,様々な事実で過失割合は修正されます。一つの参考としてご理解いただければと思います。
第2.横断歩道外における事故
2 横断歩道のない交差点又はその直近における事故
車は,交差点又はその直近で横断歩道の設けられていない場所において歩行者が道路を横断しているときは,その歩行者の通行を妨げてはいけません。
交差点の直近とは,おおむね ,幅員の広い道路にあっては10m以内,それ以外の道路にあってはそれ以下の範囲内と考えます。
【34】幹線道路又は広路等における事故
歩行者:直進車=20:80,歩行者:右左折車=10:90
歩行者は,車道の幅員が広く,かつ,車の交通も頻繁な幹線道路を横断する場合には,通常の道路におけるよりも重い左右の安全確認義務を負っています。
広い道路を走行してくる車両は減速や徐行をすることなく走行しているのが通常ですから,歩行者が左右の安全を怠って横断することは極めて危険です。
【35】狭路等における事故
歩行者:車=10:90
車は,交通整理の行われていない交差点に入ろうとする場合,交差道路が優先道路や通行している道路の幅員よりも明らかに広いものであるときは,徐行しなければならず,かつ交差道路の通行する車両の進行妨害をしてはいけません。
上記のような交差点では,車には通常以上の注意義務が課されており,狭路から広路を横断する場合だけでなく,広路から狭路へ向けて右左折する場合も同様です。
【36】優先関係のない交差点における事故
歩行者:車=15:85
【34】と【35】の中間値となります。
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